星みたいな恋をしよう
「失礼します」

絆が部屋の中に足を踏み入れると、デスクに腰掛けていたアーサーが顔を上げる。彼は絆を見て、いつものようにニコリと笑った。

「絆、どうしたんだい?」

「全ての事件の犯人がわかったんです。光里姉の命を奪った犯人の正体が」

絆がそう真剣な顔で言うと、アーサーの顔から笑みが消える。そして唇が動いた。

「一体、その犯人は誰だって言うんだい?」

「ーーーそれはあなたですよね?アーサー教授。あなたが光里姉や大勢の人を殺害した犯人です」

絆の声が震える。今にも泣いてしまいそうになるのを、絆はただ堪え、履いているスカートを強く握り締めた。

「面白い冗談だね。何故、犯罪心理学の教授である私がそんなことをしなくてはならないんだい?」

アーサーは淡々とそう返す。絆は持っているかばんの中からある情報をまとめた紙を取り出し、アーサーの前に置いた。

「教授の渡航歴、それから今まで住んでいた場所とこれまでの未解決事件をまとめたものです」
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