国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
 結局、このメンバーが出した結論は、ジェシカの縁談を壊そうとしている人物がいること。そして、その人物は魔導士団の方で把握していない闇魔法の使い手であること。ジェシカの護衛にあたっていたエセラとフローラは狙われる可能性があること、ということだった。
「だが、エセラよりフローラ、君の方が危ない」
 と口にしたのはアダム。
「エセラはただの護衛騎士だが、君は魔法騎士でありながら護衛騎士だ。護衛騎士の中でも特殊」
「あの、ところでエセラは?」
「彼女の方は何も起こっていないし、魔導士団から人を借りて、今、様子を探らせている」
 アダムの言葉にフローラは安堵する。と同時に、動きの早いことに感心もする。
「エセラもフローラも。遠征から戻ってきたところであるため、休暇を与える予定ではあったのだが。逆にこちらに出てもらった方が安全かもしれないな」
「でしたら、フローラは私の研究室にいれば良いでしょう」
 そこで口を挟んだのがクリスであったため、他の視線を全部集めてしまった。
「何か、問題でも?」
「いや。問題は無い、はず、だが」
 少々動揺しながら許可を出そうとしているのはノルト。
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