国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
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 こうして、国を挙げて行う政策によって付き合いを始めた二人は、見事結婚まで行きついた。その数年後には六人の子供にも恵まれることになる二人なのだが、それは後で知る話。それこそが国が望んでいた結果でもある。
 さて、政策の第一号がうまくいったのであれば、次につなげたくなるのがその政策というもの。
 そしてここに呼び出された男女が一組。
「君たち二人が、なぜここに呼び出されたのか。それを説明しなければならないな」
 と国王はゆっくりと口を開いた。
 この国の現状、そして子孫繁栄の問題、さらに先日に追加で行った100の質問。
 それからこの政策の内容とその政策によって生まれたカップルが結婚をし、今では幸せに暮らしているということ。そして、相性率というものは変化するというものがわかったため、追加で質問と面談を行ったということ。
 この政策における第一号のカップルがあのクリスとフローラであることを聞かされた女の方は、驚いたような表情を浮かべていた。
「それで、だ。以前行った1000の質問と追加の100の質問から、相性の良い男女の組み合わせが再び生まれた」
 男の方がピクリと反応した。ここまできたら、お互いになんとなくその先の展開を予測できる。
「その結果。アダム・パターソン、シャーラン・スミス。君たちの組み合わせが相性率95パーセントという驚異の数値を叩き出した」


【完】
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