国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「ク、ク、クリス様。一体、何を」
 また顔中を薔薇色に染め上げるフローラ。そんな彼女をすぐにでも自分のものにしてしまいたいという思いに駆られるクリス。
「あまりにもあなたが可愛すぎたので、味見です。ですが、これ以上は我慢ができなくなるので、今日はこれだけで我慢します」
 何の我慢であるか、と聞くのは野暮であるということだ。
「できれば私としては、これ以上の関係に進みたいと思っているのですが。よろしいですか?」
 と問うクリスに、フローラは赤い顔のまま頷くことしかできなかった。
 彼とこれ以上の関係になることに恥ずかしいという思いはあっても、嫌な思いは一切無く、どこか期待しているところもあった。
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