月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
過去2
暗殺者からの襲撃が続く中、とうとうリナが倒れてしまった。
世界中のありとあらゆる闇の組織がトールたちを狙っていたのだ。未だに命があるだけでも驚きだが、ヴァルナルやリナたちと出会えたことは、もはやトールにとって奇跡といっても過言ではないだろう。
どうしてもトールを亡き者にしたいらしい正妃を始めとした貴族派も、まさかこんなに暗殺が難航するとは思わなかったかもしれない。
「うわぁああ〜〜ん! お母さんが……! お母さんが……!」
母親が倒れて不安なのだろう、ティナはリナから離れようとせず、ずっと泣きじゃくっている。
「……ティナ……」
トールは泣き続けるティナを抱きしめ、背中を優しくとんとんと叩いて慰める。
そうしているうちに、泣き疲れたティナがトールの腕の中で眠りについた。
「ごめん……ティナ、ごめん……僕のせいで……」
トールは眠っているティナに謝り続けた。リナが倒れたのも、ティナを泣かせているのも全て自分のせいなのだと思うと、胸が締め付けられるように痛む。
トールはティナをそっと寝かせ、その寝顔を見つめながら、先日のことを思い出す。
世界中のありとあらゆる闇の組織がトールたちを狙っていたのだ。未だに命があるだけでも驚きだが、ヴァルナルやリナたちと出会えたことは、もはやトールにとって奇跡といっても過言ではないだろう。
どうしてもトールを亡き者にしたいらしい正妃を始めとした貴族派も、まさかこんなに暗殺が難航するとは思わなかったかもしれない。
「うわぁああ〜〜ん! お母さんが……! お母さんが……!」
母親が倒れて不安なのだろう、ティナはリナから離れようとせず、ずっと泣きじゃくっている。
「……ティナ……」
トールは泣き続けるティナを抱きしめ、背中を優しくとんとんと叩いて慰める。
そうしているうちに、泣き疲れたティナがトールの腕の中で眠りについた。
「ごめん……ティナ、ごめん……僕のせいで……」
トールは眠っているティナに謝り続けた。リナが倒れたのも、ティナを泣かせているのも全て自分のせいなのだと思うと、胸が締め付けられるように痛む。
トールはティナをそっと寝かせ、その寝顔を見つめながら、先日のことを思い出す。