月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
ちなみに、今までティナが聖女の証として付けていた腕輪は、魔力を魔石に蓄積させるものであった。その魔力を蓄積した魔石はこの国を守っている結界の原動力となり、一年に一回、結界維持のため交換しなければならないのだ。
証の腕輪を付けている間はずっと魔力が魔石に吸収されていたため、ティナの魔力はかなり制限を受けていた。フレードリクがティナの魔力を低いと言ったのもそのためだ。
「それにしても証の腕輪をただの証明だと勘違いしている者は愚かだね。本来の用途を知れば誰も身に付けようとは思わないだろうに」
フレードリクが正にその勘違いしている者だった。アンネマリーが知らないのは仕方がないものの、王族である彼が知らない筈はないのだが、フレードリクだからな、とティナは密かに思う。
しかしその勘違いのお陰で腕輪を外すことが出来たのだから、フレードリクには感謝しなければならない。
「そう言えば、よくあの腕輪を外すことが出来たね。アンネマリーという令嬢も結構な魔力保持者なのかな?」
例の腕輪を外すためには一定量の魔力が必要となる。しかし常に魔力を吸収されていたティナは腕輪を外せるほどの魔力を注ぎ込むことが出来なかったのだ。
証の腕輪を付けている間はずっと魔力が魔石に吸収されていたため、ティナの魔力はかなり制限を受けていた。フレードリクがティナの魔力を低いと言ったのもそのためだ。
「それにしても証の腕輪をただの証明だと勘違いしている者は愚かだね。本来の用途を知れば誰も身に付けようとは思わないだろうに」
フレードリクが正にその勘違いしている者だった。アンネマリーが知らないのは仕方がないものの、王族である彼が知らない筈はないのだが、フレードリクだからな、とティナは密かに思う。
しかしその勘違いのお陰で腕輪を外すことが出来たのだから、フレードリクには感謝しなければならない。
「そう言えば、よくあの腕輪を外すことが出来たね。アンネマリーという令嬢も結構な魔力保持者なのかな?」
例の腕輪を外すためには一定量の魔力が必要となる。しかし常に魔力を吸収されていたティナは腕輪を外せるほどの魔力を注ぎ込むことが出来なかったのだ。