月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
そう言ってティナを退出させたベルトルドは、さっきとは打って変わり、王都のギルドマスターとして、鋭い視線をトールに向けた。
ベルトルドの視線を受けたトールは、眼鏡を外すと髪を掻き上げ、その素顔を曝け出す。
「ベルトルド殿に隠し事など愚かな所業だとわかっています。ですから単刀直入に言います。俺はティナを守りたい──俺の望みはそれだけです」
トールの素顔を見たベルトルドは、その情報だけで彼の素性に思い至る。
「……クロンクヴィストの第二王子がティナを守りたいという理由は? もしティナの聖女としての力を欲しての言葉なら、同行に許可は出せません」
更にトールに向けるベルトルドの視線が鋭くなる。その鋭利な刃物のような視線だけで、トールを真っ二つに出来そうだ。
そんな視線を受けても尚、トールはベルトルドから目を逸らさず、はっきりと告げた。
「俺はヴァルナルさんとリナさんに約束したんです。ティナを必ず守る、と」
「──な……っ、まさか……っ?!」
トールのその一言で、ベルトルドは全てを理解した。
ベルトルドの視線を受けたトールは、眼鏡を外すと髪を掻き上げ、その素顔を曝け出す。
「ベルトルド殿に隠し事など愚かな所業だとわかっています。ですから単刀直入に言います。俺はティナを守りたい──俺の望みはそれだけです」
トールの素顔を見たベルトルドは、その情報だけで彼の素性に思い至る。
「……クロンクヴィストの第二王子がティナを守りたいという理由は? もしティナの聖女としての力を欲しての言葉なら、同行に許可は出せません」
更にトールに向けるベルトルドの視線が鋭くなる。その鋭利な刃物のような視線だけで、トールを真っ二つに出来そうだ。
そんな視線を受けても尚、トールはベルトルドから目を逸らさず、はっきりと告げた。
「俺はヴァルナルさんとリナさんに約束したんです。ティナを必ず守る、と」
「──な……っ、まさか……っ?!」
トールのその一言で、ベルトルドは全てを理解した。