月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
 ──ラーシャルード教の、アコンニエミ聖国を根底から覆せば良い、と。

 早速トールは精霊に協力して貰い、アコンニエミ聖国の情報を集めることにした。

 初めはただの噂だったり、主婦たちの井戸端会議のような内容であったが、その内容は長い時間を掛けて徐々に精査され、聖国の中枢へと迫っていく。

 加えてトールが手に入れた情報の中には、教皇一族の企みとアレクシスの望みもあった。
 やはり彼らは<稀代の聖女>であるティナの力を我の物にし、その威光を利用しようと企んでいたのだ。

 トールはアコンニエミ聖国の弱点となりうる情報をさらに集め、ティナを自由にするための準備を着々と行なっていた。

 そうしてティナが聖女になってから更に月日が過ぎ、ティナとトールが十五歳になった頃。
 セーデルルンド王国にあるブレンドレル魔法学院に、ティナが入学するという情報が入って来たのだ。

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