月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
「ティナっ!!」
「?!」
ティナが一階に降りた瞬間、聞き覚えがある声がホールにこだまする。
驚いたティナが振り返ると、そこには同級生だったトールが息を切らして立っていた。
「トール!? どうしてここに……?!」
ティナはトールの姿を見て驚愕する。
学院から去ったティナが冒険者ギルドにいるなんて、生徒達の誰もが気付かないだろうと思っていた。
普通なら神殿に身を寄せるだろうと考えるはずだ。
「おうおう、どうしたティナ? 何かトラブルか?」
「困ってたら言えよ! 加勢してやっからよ!」
戸惑うティナの様子に、冒険者達が心配して声をかけてくれる。それだけで相手にとって十分な牽制になるだろうが、トールは怯むことなく立ち続けている。
「有難う。でもこの人は私の友達なんだ。だから大丈夫だよ」
ティナの言葉に、冒険者達は「なら良いけどよ……」「何かあったら言えよ」と言って身を引いてくれた。強面だが優しい人達なのだ。
「……トール、場所を変えて話そう」
ティナはそう言うと、受付にいる職員に声をかけて、会議室の一室を借りたいと伝える。
会議室は冒険者達が依頼を受けた後、打ち合わせに使う部屋だ。
そして二人で会議室に入った瞬間、トールがティナを強く抱きしめた。
「?!」
ティナが一階に降りた瞬間、聞き覚えがある声がホールにこだまする。
驚いたティナが振り返ると、そこには同級生だったトールが息を切らして立っていた。
「トール!? どうしてここに……?!」
ティナはトールの姿を見て驚愕する。
学院から去ったティナが冒険者ギルドにいるなんて、生徒達の誰もが気付かないだろうと思っていた。
普通なら神殿に身を寄せるだろうと考えるはずだ。
「おうおう、どうしたティナ? 何かトラブルか?」
「困ってたら言えよ! 加勢してやっからよ!」
戸惑うティナの様子に、冒険者達が心配して声をかけてくれる。それだけで相手にとって十分な牽制になるだろうが、トールは怯むことなく立ち続けている。
「有難う。でもこの人は私の友達なんだ。だから大丈夫だよ」
ティナの言葉に、冒険者達は「なら良いけどよ……」「何かあったら言えよ」と言って身を引いてくれた。強面だが優しい人達なのだ。
「……トール、場所を変えて話そう」
ティナはそう言うと、受付にいる職員に声をかけて、会議室の一室を借りたいと伝える。
会議室は冒険者達が依頼を受けた後、打ち合わせに使う部屋だ。
そして二人で会議室に入った瞬間、トールがティナを強く抱きしめた。