月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
もふもふ
窓から入ってくる朝の光に起こされるように、ティナはゆっくりと目を開いた。
昨晩、精霊が戻って来るのを待っているうちに寝落ちしてしまったようだ。
ぐっすり眠っていたのか、妙に身体が軽くて頭もスッキリしている。
いつもはアウルムに起こされていたのに、今日はティナの方が早く目が覚めたらしい。
ティナはまだ丸まって眠っているアウルムを起こさないようにそっとベッドから出ると、思いっきり伸びをした。
(うーん、やっぱりいつもより身体が軽い気がするなぁ。何でだろ?)
身体の変化が気になったものの、調子が良いことに越したことはないので、ティナはまあ良いか、と深く考えるのをやめることにした。
『う、う〜〜ん……。……んゅ? ティナー?』
ティナが起きた気配を感じたのか、アウルムが目を覚ました。
朝日を浴びたアウルムの瞳が、キラキラと金色に輝いている。その光景はとても神秘的だ。
「おはよう、アウルム。起こしちゃった? ごめんね」
『……ん……おはようー……。……今日はティナが早いのねー。精霊なのねー……?』