月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
ティナが気付かないように配慮していたものの、ベルトルドはずっとティナの置かれている境遇について抗議していた。あまりにもティナを酷使していると。
しかしそれは下手な貴族であれば家門を取り潰されていてもおかしくない行動であった。
それでも王国本部のギルド長で高名な冒険者であるベルトルドだからこそ、身分も地位もそのままでいられるのだ。
「ギルド長に恩を返すためにも、立派な冒険者になりますから! それこそ心配する必要がないぐらい!」
屈託なく笑い、そう宣言するティナに、ベルトルドは小さかった頃の面影を思い出し、時間の流れの速さを実感する。
「……そうだね。今回の旅で色んな経験をたくさんしてくると良いよ。私はここで待っているから。いつでも帰っておいで」
「……っ、はい……!」
ベルトルドの存在に、どれほど助けられただろうと考えたティナの胸に、色んな感情が込み上げてくる。
ベルトルドには沢山の愛情を与えて貰った。自分にとって彼は親も同然なのだ。
いつか自分も一人前になったなら、ベルトルドにたくさん恩を返したいと、ティナは心から思う。
しかしそれは下手な貴族であれば家門を取り潰されていてもおかしくない行動であった。
それでも王国本部のギルド長で高名な冒険者であるベルトルドだからこそ、身分も地位もそのままでいられるのだ。
「ギルド長に恩を返すためにも、立派な冒険者になりますから! それこそ心配する必要がないぐらい!」
屈託なく笑い、そう宣言するティナに、ベルトルドは小さかった頃の面影を思い出し、時間の流れの速さを実感する。
「……そうだね。今回の旅で色んな経験をたくさんしてくると良いよ。私はここで待っているから。いつでも帰っておいで」
「……っ、はい……!」
ベルトルドの存在に、どれほど助けられただろうと考えたティナの胸に、色んな感情が込み上げてくる。
ベルトルドには沢山の愛情を与えて貰った。自分にとって彼は親も同然なのだ。
いつか自分も一人前になったなら、ベルトルドにたくさん恩を返したいと、ティナは心から思う。