月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
「ふぉっふぉっふぉ。坊ちゃんはすぐ気がついたのう」
「こんな大規模な空間魔法を見るのは初めてです! 貴方は一体……?!」
トールは至難の業だと言われている、空間魔法を行使した本人であるこの老人が何者なのか知りたかった。
「ワシか? ワシはノアじゃ。とうの昔に隠居したただの老人じゃよ」
「いや、ただのご老人がこんな難易度の高い魔法を構築するのは……って、あれ?」
老人の名前を聞いたトールは、ふと記憶に残っていたとある場面を思い出す。それは、トールとティナが通っていた学院で受けた魔法学の授業で──
「──っ! まさか……貴方は大魔導士デュノアイエ様ですか?!」
トールの頭の中で、ノアの顔と教科書に載っていた偉人の肖像画が一致した。
時系列がおかしいが、それでもトールは目の前の老人ノアが、大魔導士デュノアイエと同一人物だと確信する。
「ふぉっふぉっふぉ。坊ちゃんは随分博識じゃのう。しかも勘が鋭いと来た。もしかして坊ちゃんの名前はトール、かのう?」
「え……どうしてそれを……?!」
「こんな大規模な空間魔法を見るのは初めてです! 貴方は一体……?!」
トールは至難の業だと言われている、空間魔法を行使した本人であるこの老人が何者なのか知りたかった。
「ワシか? ワシはノアじゃ。とうの昔に隠居したただの老人じゃよ」
「いや、ただのご老人がこんな難易度の高い魔法を構築するのは……って、あれ?」
老人の名前を聞いたトールは、ふと記憶に残っていたとある場面を思い出す。それは、トールとティナが通っていた学院で受けた魔法学の授業で──
「──っ! まさか……貴方は大魔導士デュノアイエ様ですか?!」
トールの頭の中で、ノアの顔と教科書に載っていた偉人の肖像画が一致した。
時系列がおかしいが、それでもトールは目の前の老人ノアが、大魔導士デュノアイエと同一人物だと確信する。
「ふぉっふぉっふぉ。坊ちゃんは随分博識じゃのう。しかも勘が鋭いと来た。もしかして坊ちゃんの名前はトール、かのう?」
「え……どうしてそれを……?!」