月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
「んん〜〜? はて、人違いじゃないかのう。ワシはこの森からもう何年も出ておらんぞい」
「あれ……? おかしいな……」
自分の記憶力の良さに自信があったトールは疑問に思う。確かに、老人の顔に見覚えがあったのだが……。
「まあまあ、中に入って休憩でもしていかんか。見たところかなり疲れておるようじゃしな」
「……はい、ではお言葉に甘えてお邪魔させていただきます」
老人の申し出を受け、トールは小屋の中で少しだけ休ませてもらうことにした。
本当はすぐにでもティナの後を追いたいところではあるが、この老人が何故か気になったのだ。
トールは馬を近くの木に繋ぐと、装備やツヴァイハンダーを外し、まとめて木の影に置いた。
「ふぉっふぉっふぉ。美味い茶を淹れてやろうな」
老人は老人で、トールを全く警戒していない。初対面とは思えないフランクさだ。
そんな老人の後について小屋に入ったトールは、小屋の中を見て驚愕する。
「な……っ! これはまさか空間魔法?!」
小屋の外から見た面積と中の面積が全く噛み合っていなかった。小屋の大きさの何倍もの空間が目の前に広がっているのだ。
「あれ……? おかしいな……」
自分の記憶力の良さに自信があったトールは疑問に思う。確かに、老人の顔に見覚えがあったのだが……。
「まあまあ、中に入って休憩でもしていかんか。見たところかなり疲れておるようじゃしな」
「……はい、ではお言葉に甘えてお邪魔させていただきます」
老人の申し出を受け、トールは小屋の中で少しだけ休ませてもらうことにした。
本当はすぐにでもティナの後を追いたいところではあるが、この老人が何故か気になったのだ。
トールは馬を近くの木に繋ぐと、装備やツヴァイハンダーを外し、まとめて木の影に置いた。
「ふぉっふぉっふぉ。美味い茶を淹れてやろうな」
老人は老人で、トールを全く警戒していない。初対面とは思えないフランクさだ。
そんな老人の後について小屋に入ったトールは、小屋の中を見て驚愕する。
「な……っ! これはまさか空間魔法?!」
小屋の外から見た面積と中の面積が全く噛み合っていなかった。小屋の大きさの何倍もの空間が目の前に広がっているのだ。