月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。
武器
ティナはベルトルドから貰った魔法鞄をトールから受け取ると、中の装備の確認をする。
この鞄は盗難防止の魔法が掛かっており、魔力を登録した人間にしか中の物の出し入れが出来なくなっているのだ。
ベルトルドが予めティナの魔力を登録してくれていたので、ティナは難なく鞄を開くことが出来た。
ティナが魔法鞄の中に手を入れると、頭の中にリストが浮かび上がる。ティナは予想以上の量の物資に驚きの声を上げる。
「え……っ?! こ、これは……?!」
「どうしたの? 何か変なものでも入ってた?」
トールに声を掛けられたティナは我に返ると、その鞄の中身について説明する。
「えっとね、簡単に言うと、この中に入ってるものだけで三年間は暮らせそうなんだ。保存食も大量に入っているし……まったく、どれだけ過保護なんだか……」
ティナが呆れたように呟くが、その顔はとても嬉しそうだ。きっとベルトルドのことを思い出して、感謝しているのだろう。
ベルトルドのお陰でトールも快適な旅が出来るだろう。それに関してはトールもベルトルドに深く感謝する。
だけど、折角二人っきりなのに、こうして時々ベルトルドの影がチラつくのを、トールは少し不満に思う。
「……ギルド長には感謝しないとね。それで、武器は何が入ってる?」
「あ! そうだったね、ごめんごめん! えっと……どうやら剣みたいだよ」
ティナが魔法鞄からズルっと長い何かを取り出した。しかし普通の剣より更に長いので、一瞬槍と勘違いしそうになる。
「それは……ツヴァイハンダー?」
剣だと思っていた物は、ギルドでティナが言っていた長剣、ツヴァイハンダーだった。
この鞄は盗難防止の魔法が掛かっており、魔力を登録した人間にしか中の物の出し入れが出来なくなっているのだ。
ベルトルドが予めティナの魔力を登録してくれていたので、ティナは難なく鞄を開くことが出来た。
ティナが魔法鞄の中に手を入れると、頭の中にリストが浮かび上がる。ティナは予想以上の量の物資に驚きの声を上げる。
「え……っ?! こ、これは……?!」
「どうしたの? 何か変なものでも入ってた?」
トールに声を掛けられたティナは我に返ると、その鞄の中身について説明する。
「えっとね、簡単に言うと、この中に入ってるものだけで三年間は暮らせそうなんだ。保存食も大量に入っているし……まったく、どれだけ過保護なんだか……」
ティナが呆れたように呟くが、その顔はとても嬉しそうだ。きっとベルトルドのことを思い出して、感謝しているのだろう。
ベルトルドのお陰でトールも快適な旅が出来るだろう。それに関してはトールもベルトルドに深く感謝する。
だけど、折角二人っきりなのに、こうして時々ベルトルドの影がチラつくのを、トールは少し不満に思う。
「……ギルド長には感謝しないとね。それで、武器は何が入ってる?」
「あ! そうだったね、ごめんごめん! えっと……どうやら剣みたいだよ」
ティナが魔法鞄からズルっと長い何かを取り出した。しかし普通の剣より更に長いので、一瞬槍と勘違いしそうになる。
「それは……ツヴァイハンダー?」
剣だと思っていた物は、ギルドでティナが言っていた長剣、ツヴァイハンダーだった。