恋の方程式。(短編)

修学旅行 前日

明日はいよいよ修学旅行。
クラスもいつもより活気があるようなないような。
今は修学旅行の班でどこをまわるかを話し合っている。

「ねぇねぇ横田くん!」
結衣が春翔に話しかける。
「ん?」
「春翔くんって呼んでも良い?」
「あぁ、全然いいよ。」
「ほんと⁈ありがとう!」
そんな会話が私の前で繰り広げられている。
私はどんな気持ちで見ていれば良いのか…
「自由行動どうする?」
一緒の班の田口くんが口を開く。
私たちの班は
結衣、春翔、春翔の友達の田口くん、吉田くん、私と結衣の友達の奏(かなで)の6人班だ。
「あ!私…春翔くんと2人でまわりたいんだけど…いいかな?」
「俺?なんで?」
「ダメ?」
「ダメじゃないけど」
そんな初々しいカップルのような会話、私は見ていられなくて下を向く。
誰かに手を握られた。
奏だった。
奏は私が春翔のことを好きだと知っている唯一の友達。
きっと奏のことだから私のことを心配してくれたんだろう。
優しいなと思いながら「フフッ」っと声が漏れてしまった。

いろいろ話し合った結果、
自由行動は
結衣&春翔の2人とほか4人に分かれて行動することになった。
これでよかったのかはよくわからない。

放課後
きっと結衣と春翔は両思いだ。
そんなことを考えながら1人で通学路を帰る。

明日はついに修学旅行。
何かトラブルが起きずに終わると良いけど…

そんな私の甘い考えはすぐに嫌な方向へ向かっていった–
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