ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 わかってはいる。わかってはいるけれど、いまのわたしに何かが出来ることがあるとすれば、襲われることくらいしか思い浮かばない。

 当然、ラインハルトたちにそんなあさはかな計画は話せない。話そうものなら、とんでもないことになってしまう。

 だから、ラインハルトが「ぜったいに一人にはならない」、「何があってもムチャはしない」、「異変を察知したら人を呼ぶ」等々、覚えきれないほどの注意や決まり事を並べたてている中、神妙な面持ちできいていた。
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