巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
18 闇魔法
テオが放った言葉に驚愕する。
(闇魔法で私の精神に干渉……? そう言えば襲われた時、頭を掴まれた途端視界が暗くなったけど、あれはお頭の闇魔法だったんだ……!)
驚きで絶句している私にテオは更に話し続ける。
「本当はガキ共だけ拐うつもりだったのに、サラが全然ガキ共の側から離れないから、計画を変更する羽目になったんだぞ!」
テオの話では、私が街へ出掛けている間に子供達を連れ去るつもりだったのに、ずっと孤児院から出てこないから仕方なく私ごと拐ったらしい。なんて大雑把なんだと呆れてしまう。
でも、私がいつも通り孤児院を不在にしていたら、まんまと子供達は拐われていたのだろう。だから盗賊達の企みを知っていたエルは街に行くなって言ったのか……さすが悪魔。何でもお見通しなんだなぁ、と感心する。
(エルの言う通り籠もっていて良かったよ……! 私の代わりにおばさま方が酷い目にあうなんて絶対に嫌だし)
私のせいで関係の無い人が傷つかなくて済んだ事に、不幸中の幸いだとホッと胸を撫で下ろす。
「ガキ共が拐われて傷ついたサラを慰めて、俺の事を好きになって貰おうと思ってたのに……」