巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
24 エルの属性
小さな孤児院の小さな部屋で、キラキラしい高貴なオーラを纏ったやんごとなき人物がまったりとお茶を飲んでいる。
……何というか場違い感が半端ない。
この部屋で会う時はいつも黒かった髪の色が、金色になっただけでこうも雰囲気が変わるのか……と、エル──エデルトルート王太子殿下を観察しながら、私はお茶を飲んでいた。
私がエルの飛竜に乗せて貰って孤児院に着いた時、子供達はぐっすり眠ったままだった。さすがは王家御用達の寝具達だ。子供達の睡眠をしっかりと守っていてくれたらしい。
ここから私が連れ去られてかなりの時間が経ったような気がしていたけれど、どうやら実際は一時間ぐらいだったようだ。
ちなみにエルから贈られた品の殆どは王家御用達か、それに準ずる高級な品々だったらしい。正体を明かしたエルに先程教えられた私が絶句したのは言うまでもない。
私はこの質素な部屋すら高級宿の最上位部屋のような雰囲気に変えてしまっているエルを盗み見る。相変わらず綺麗な顔をしていて、髪の色との相乗効果につい見惚れてしまいそうになる。