巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

「例の巫女見習いの少女ですが、私が話を伺ったところ、辺境のソリヤからわざわざ王都までやって来たらしく……その理由が資金援助だそうです」


 ヴィクトルが少女から根掘り葉掘り聞いた内容は、少女が暮らしている孤児院は長い間司祭が不在で、領民たちの寄付金や節約で何とか賄ってきたがもう限界であること、このままでは子供達に服すら買ってあげられないこと……等など、孤児院がどれだけ大変かという話だったそうだ。


「……それは神殿からの補助金や領主からの援助金が支給されていないということですか?」


「恐らく。彼女はサラという名前で、生まれた時から孤児院にいて司祭の手伝いをしていたそうです。その司祭が王都に行ったっきり帰って来ないらしく、今は一人で十人の子供達の面倒を見ながら内職しつつ、孤児院を支えているそうです」


「それはおかしいですね。本来なら孤児院が受け取るはずの給付が受けられていないなんて」


「それも神殿と領主両方からの分ですからね。彼女はそんな補助金の存在すら知らないようでした」
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