巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
ヴォクトルが言う通り、神殿からの補助金は領主を通して支払われている。だけどその少女──サラはその事を知らなかったから、領主のもとへ行かずこうして神殿本部を頼ってきたのだろう。
「なら、領主が着服している可能性がありますね。この領主も捜査対象のリストに入れて下さい」
……神殿本部以外にも調べないといけない案件が増えてしまったが仕方がない。
そうしてヴィクトルから一通り話を聞いた僕は、まず子供達の服を贈ることにした。各サイズの服を用意し飛竜に乗せた僕は孤児院へと向かい、眠っている子供に合ったサイズの服を枕元へ置く。子供達はよく眠っているため、僕には全く気付かない。
サラという少女が切り盛りしている孤児院は小さくて質素だが清潔感があり、よく手入れされていることが見て取れた。本人はまだ帰路の途中なのだろう、姿が見られないことを少し残念に思う。
眠っている子供達を見ていると、中でも小さい女の子がボロボロの本を抱きしめながら眠っているのに気付く。もう何度も何度も繰り返し読んだ本のようだけど、きっとこの子にとって思い出の品なのだろうと予想がつく。