巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

「しかもあの巫女見習い、貴賓室に滞在している例の者と関係があるらしくてな。それも踏まえてこの神殿に呼び出す事になったのだ」


「呼び出す……? この神殿本部にですか?」


「うむ。特例で巫女見習いから正式に巫女へ叙階させるそうだ。司教聖省には事後承諾となるであろうな」


 バーバリ司教の言葉にヴィクトルは驚いた。神殿本部がサラの事をこれほど重要視するとは思わなかったのだ。


「貴賓室に滞在している人物が気になりますね。その巫女見習いはいつ召喚するのですか?」


「先程バザロフ司祭が迎えに行きおった。奴はソリヤ地区一帯が管轄だからな」


「……そうですか。バザロフ司祭も大変ですね」


 珍しく早い神殿の対応にヴィクトルは内心で焦る。

 サラが正式に巫女になってしまうと神殿からの許可なく外出出来ず、いくら王太子でも自由に会えなくなるからだ。


 ──ここに来たが最後、サラは二度と王宮に戻ることは出来ないだろう。


 王太子はサラと神殿の人間が接触しないように気を配っており、王宮にいる部下達にも警戒させていた。だから大丈夫だろうと思うものの、嫌な予感がして胸がざわつく。
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