巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
(きっと王宮の仲間が神殿の動きに気付くだろうし、心配無い……よな……いや、しかし……)
念の為、ヴィクトルは王太子から貸し与えられていた魔道具を使って王宮に連絡を入れる事にする。
会話が出来る魔道具ではないので今の状況を伝えるだけしか出来ないが、それでも情報をいち早く伝える事が出来る最速の魔道具だ。
そうしてヴィクトルがこの件を知ってからしばらく、バザロフ司祭に連れられたサラが神殿にやって来たとの一報が届いた。
(やはり嫌な予感が当たったか……! くそっ! 神殿派の貴族連中が手助けしたな! 王宮に戻ったら何処のどいつか調べて引っ捕まえてやる!)
ヴィクトルはサラを神殿本部から連れ出すにはどうすれば良いか必死に考えた。結果、貴賓室の要人に事情を話し、協力を仰ごうと思い至る。
ヴィクトルにとって最優先するべきは、サラの身柄を保護する事だ。
自分の主人である王太子が大切にしている少女を、何が何でも司教達から守らなければならない。その為には、神殿本部中を引っ掻き回す必要がある。