巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「お前は忘れてるようだが、俺は司祭を退くためにここに来たんだ。それに王宮が児童養護施設事業を始めたのなら、もう神殿に関わる必要も無くなるしな」
「し、しかし……っ! 貴方ほどの人が、どうして地位を捨ててまでこんな──!?」
司祭を辞めると言うお爺ちゃんに、トルスティ大司教が必死に縋ろうとしたけれど、お爺ちゃんが放つ威圧と鋭い眼光に言葉を詰まらせる。
これ以上発言するのは危険だと理解したのかもしれない。
ピリピリと緊迫した雰囲気が小神殿に流れる中、何やら神殿の外が騒がしい事に気付く。
「サラッ!!」
「えっ!? エル!?」
引き止めようとした修道士を押し退けて小神殿に駆け込んで来たのは、慌てた様子のエルだった。
エルは私の顔を見るとほっとした表情を浮かべた。けれど、私と一緒にいる人物──お爺ちゃんに目を止めると、何かに気付いたような表情をした後、キリッと真剣な顔になる。
「……えっとね、この人が私を育ててくれたお爺ちゃんだよ! エルも心配してくれてたよね! お陰様で無事に再会出来たんだ! 本当に有難う!」