巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
変な雰囲気を払拭しようと思ったら、何だかわざとらしくなってしまったけれど、私の意図を汲み取ってくれたのだろう、エルがふっと表情を和らげる。
「──そうですか、無事に再会出来て良かったです」
私とエルが微笑みあっていると、お爺ちゃんがエルに向かって頭を下げて膝を付き、臣下の礼を執った。
お爺ちゃんのそんな様子に驚いたのは、エルでも私でもなく……。
「……!? シュルヴェステル様!? 一体何を……!!」
驚愕の表情を浮かべているトルスティ大司教を無視し、お爺ちゃんはエルに礼を執り続ける。
エルが王族だからか、お爺ちゃんは自分から声を掛けようとせず、エルから声を掛けられるのをじっと待っているようだ。
(……っていうか、お爺ちゃんの名前ってシュルヴェステルっていうんだ……初めて知ったよ……)
そう言えば今までお爺ちゃんとか司祭様としか呼んでこなかった。……お爺ちゃんも何も言わなかったし……。
「どうか顔を上げて下さい。貴方はシュルヴェステルという名前なのですね。私はどのように呼べばいいですか?」
「恐れ入ります。私の事は『シス』とお呼び下さい」