巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「王国の星、エデルトルート殿下にお目にかかれて光栄です」
白髪の男性がエデルトルートに向かって挨拶をするが、その所作には無駄が無い。寧ろ大貴族の威厳を感じる程である。
そして赤い髪の少女もまた、美しい所作で礼を執っており、貴族令嬢と比べても何ら遜色はない。
身に纏う衣服は平民のそれと同じで質素ではあるものの、醸し出す雰囲気はさぞや高貴な血筋であろうと予想させた。
この二人は一体何者だろうと戸惑う議員達を他所に、ベズボロドフ公爵が声を上げる。
「この崇高なる元老院会議に平民を招くなど、殿下は何をお考えか!! 神殿の件といい、殿下の行動は目に余りますぞ!!」
悉く自分の予想とは違う行動を起こすエデルトルートに、ベズボロドフ公爵が癇癪を起こして怒り狂う。
この定例会議では身分を気にすること無く発言できるように、と配慮されているため、わざわざ発言の許可を取る必要が無い。とはいえ、ベズボロドフ公爵の言動はあるまじき行為であった。
「彼らは私の大切な客人である。その客人を愚弄する公爵の方こそ目に余るのではないか?」