巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「はい。殿下をお待たせしたこと、深くお詫び申し上げます。お時間をいただいたおかげで、私の迷いはなくなりました」
エルが言うお爺ちゃんの決断とは、離宮で話していた人生設計のことだろう。
どうやらお爺ちゃんは自分の身の振り方にずっと悩んでいたようだ。
(そんなにお爺ちゃんが悩んでいたなんて……全然気付かなかったよ……)
どうも私は他人の機微に疎いらしい。そう言えば婦人会のおばさま方にもよく鈍いって言われていたっけ。
自分の不甲斐なさを反省していると、エルが椅子から立ち上がって元老院議員達を一瞥する。
そうして部屋中に聞こえる様に、その美声を響かせる。
「王太子である私、エデルトルート・ダールクヴィスト・サロライネンは、このシュルヴェステル・ラディム・セーデルフェルトを、王国騎士団の団長に任命する!」
──エルの宣言に、私の頭は一瞬真っ白になる。
「ちょ……!? エル!! お爺ちゃん!! 一体どういう事なの!?」
辺境の地で司祭だったお爺ちゃんが、突然騎士団長に任命されるとは、一体誰が予想できたであろうか。