巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 元が付くとは言え、悪しき者を討つ大聖アムレアン騎士団の団長が、「紅眼の悪魔」と恐れられていた王太子に忠誠を誓ったのだ。


 その事実は、今まで囁かれていた悪い噂を払拭するには十分なほどで。


 しかも神殿や領主から迫害されていた孤児達に救いの手を差し伸べたこと、孤児院の支援金に手を出して、私腹を肥やしていた者達を一斉に処分したこと、保護した孤児達にすごく懐かれていること──そんな話が広まっていき、ヱルは国民から「慈悲深い王太子」と呼ばれるようになったのだ。


 以前はそんなヱルを蹴落とそうとしていた神殿派貴族達も、今ではすっかりエルを支持する立場となった。


 ──そうして、アルムストレイム教が企んでいた、王室の権威を失墜させる計画は失敗に終わったのだ。





 そして現在、青く澄み渡る空の下、王国の玉座の間では、お爺ちゃんの王国騎士団長叙任の儀式が執り行われていた。


 大理石と金で装飾されている絢爛豪華な玉座の間には、歴史的瞬間をこの目で見ようと集まった貴族達でごった返している。
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