巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 きっと昔のことは忘れ、今は他の国で頑張っているに違いない。


 そうして、貴族への憧れは成長と共に薄れていった。そんな夢みたいな話、実際あるわけがないと気付いたのだ。


 ──なんて思っていたのに、あれよあれよという間に事が進み、気がつけば貴族になっていたとは。


 一体これから何をどうすれば良いのか、私にはさっぱりわからない。


 ……いや、まず最初にやるべき事は決まっている。

 お爺ちゃんがここまでしてお膳立てをしてくれたのだ。

 まず私は「アレ」を成し遂げなければならない。


 だけど、"いつか伝えられたらいいな"と思っていただけなので、まだ心の準備が出来ていない。


 それでも、もしエルと二人っきりなる機会があれば、私は「アレ」を──そう、「告白」をエルに──……。


「──サラ?」


「ぎゃっ!?」


 今の今まで頭の中を占めていた人の声に、思わず奇声を発してしまう。

 慌てて振り返ると、ガゼボの入り口に立っているヱルがいた。


「エ、エル……!? どうしてここに!?」
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