巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
座った途端、今までの疲れが出たのか、どっと体中に疲労感が押し寄せた。
ずっと人混みの中にいたので、無意識に緊張していたのだろう。気がつけば身体中がガチガチだ。今まであんなに多くの人が集まる場所に行ったことなんて無かったし。
だから正直、エリアナさんの申し出はとても助かった。
ぼけーと月を眺めながら、私はここ最近起こった出来事を思い出す。
(お爺ちゃんとやっと再会できて、また一緒に子供達の面倒を見れると思ったら、今度はいきなり騎士団長になるとか……未だに実感がわかないや……)
予想外の出来事の連続に、これが夢だと言われても納得してしまいそうな自分がいる。
……だって、あまりにも自分に都合が良すぎるのだ。まさか平民で孤児だった私が、貴族の仲間入りをすることになるなんて。
正直、小さい頃は貴族に憧れていたし、こっそり想像したこともあった。
本当は自分の両親は貴族で、やむを得ない事情でお爺ちゃんに育てられていた……とか。
昔、仲が良かった双子達も、小さい時は「じゃあ僕達がサラを貴族にしてあげる」と言ってくれたけれど、二年前に成人し孤児院から巣立って行った。