巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「てめぇが神の元へ行けるわけ無ぇだろうがっ!! 死ぬならてめぇ一人で死ねっ!!」
まだ辛うじて形を保っていたトルスティ大司教の眉間に、お爺ちゃんが剣を突き立てる。
「ぎゃああああああぁっ!!」
眉間を刺され、闇のモノを制御できなくなったトルスティ大司教の身体が変貌していく。それはまるで、闇のモノに飲み込まれていくかのようだった。
「──シュルヴェステル、様……」
完全に変貌を遂げる、ほんの一瞬。
トルスティ大司教がお爺ちゃんに向かって手を伸ばすけれど、その手はお爺ちゃんに届くこと無く、闇に飲まれていった。
トルスティ大司教の制御から完全に解き放たれた闇のモノが、身体をうねらせながらお爺ちゃんに襲いかかる。
「お爺ちゃん危ない!!」
「……っ!! シス殿っ!!」
お爺ちゃんに襲いかかる手のような黒い触手をエルが斬り落とす。それを切っ掛けに、騎士団の人達も闇のモノを斬りつけるけれど、バザロフ司教の時よりもダメージを受けていないように見える。
集中攻撃を受けているのに、悍ましい穢れたモノの気配が、どんどん大きくなっていくのを感じる。