巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
10 法国
私は気を取り直してエルにお茶をご馳走しようと準備をする……と言っても、このお茶もエルから貰った物なのだけれど。
(この紅茶もすごく良い物なんだよね……一体何処で売っているんだろう? 今度ランベルト商会で聞いてみようかな)
お茶の準備が終わり、お互い向かい合って座る。ちなみにエルは椅子で私はベッドに腰掛けた状態だ。
「では、テオとの会話を教えていただけますか?」
「うん? ああ、えっと──」
(テオの話なんて聞きたいんだ。もしかして結構マメなのかな?)
私は先日あったことをエルに話す。でも大した話では無いのですぐに話し終えてしまった。これと言って有益な情報じゃなくて申し訳ない。
「…………なるほど、だからそんな話に……」
私の予想に反して、エルは何かを考え込んでいる。今の話にそんな考えるようなことあったかなあ?
「これからは出来るだけ彼には会わないで下さい」
エルはテオの事があまり好きではないようで、テオと今度ゆっくり話す約束をした事を説明するとすっごく反対されてしまった。
「どうして? 別にテオに会いたいわけじゃないけど、情報は集めなくてもいいの?」