無口な担当医は、彼女だけを離さない。
「は?振られると思ってたの?」
「だって柊さん黙ったままだし…それに、私を好きになる理由がない」
「ふざけんな。てか俺は結構分かりやすく行動してたと思うけど?」
「どこが…⁈」
話によると柊さんは私が気持ちに気が付くかなり前から好きでいてくれていたみたいで…。
信じられない。絶対叶わないって思ってたのに。
柊さんはそんなに前から好きでいてくれたのに自覚するのが遅すぎて申し訳ないまである。
「だろうな。だから沈黙はただの驚き。全く何も思ってないんだろうなって相手に告白先越されるとかびっくりするに決まってるだろ」
「た、確かに…」
でもほんとに最初に好きになったのっていつなんだろう。
昨日なんかよりもっと前。ほんとはもっと最初から好きだったのかもしれない。
「てか…大丈夫、なの?一応俺立場的にはお前の担当医だからさ」
遠慮がちに聞いてくれた柊さん。きっと過去のトラウマの話だよね。
確かに過去に病院や医者へのトラウマがあるのに好きになるなんて思ってもみなかった。
でも私はきっと柊さんの職業が何であれ好きになっていたと思う。
それくらいには柊さんのことを1人の男の人として見ている。
「私だって誰でもいいわけじゃないです。…柊さんじゃないと、だめです」
「そう、ならいい…」
柊さんがやけに嬉しそうな顔をするから私まで笑顔になってしまう。
これ本当に現実だよね…?あの柊さんと両想いなんて夢かと疑ってしまう。
「あ、柊さん明日も仕事ですよね?もう寝ましょう」
「…一緒に寝るか?」
「いっ…へ?」
一瞬冗談かと思った私だったけど柊さんの顔は至って真剣で。
私は無意識に首を縦に振っていた。