LIBERTEーー君に
実際、ヴァイオリン演奏がオーケストラの演奏に埋もれてしまわないかを目一杯、心配し、ユリウスと共に「兎に角、全身全霊で演奏するんだ」と言って聞かせていた。

セミファイナルの演奏で、ファイナルの演奏を警戒されているのは、確かだった。

詩月とエィリッヒに挟まれ座っている男性も、セミファイナルの演奏を知り、入場券もないのに審査会場に、モニタールームの演奏でもいいから、ファイナルの演奏を聴きに来た1人だ。

すごい反響だなと思うほかない。

それでも、セミファイナルの演奏と比較すると、ファイナルの演奏は贔屓目に聴いても、セミファイナルの演奏には及ばないと思ってしまう。

それが残念だった。

演奏を終えた貢に案の定、その旨が伝えられた。

全審査項目とも、辛い点数が告げられた。

悪い演奏ではなかったし、つまらないだとか退屈だとか、他のコンテスタントの演奏に劣るとかではなく、セミファイナルの演奏と比べられたのだ。

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