幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
家族が増えて幸せも増える
【こひな】はすくすくと順調に育ち、トラブルも何事もなく、出産予定日の二日前に陣痛がきた。下腹部に生理痛のような違和感があり、夕方に瑛ちゃんと病院を受診。赤ちゃんの出口の子宮口も2センチ開いている為、そのまま入院になった。

翌日、助産師さんが診察しに来たが、子宮口は2センチのまま開いていないらしい。陣痛も思った程、進んでいない為に一旦、自宅に帰される。

「さっきね、助産師さんが内診した時、ここを手繰りよせてとか言って、中をグリグリしてたんだけど何だったんだろう?」

一旦、帰宅してからはまだ産まれそうもないので瑛ちゃんは仕事に行き、母がバトンタッチしてくれた。

「さぁ? 何かしらね? 私にも分からないけど、ベテランの助産師さんだから早く産まれる何かを施したんじゃないの?」

「そうかなぁ?」

「きっと、そうよ。それより、病院に戻る前にシャワー浴びなさい。初産だから長丁場になるかもしれないから、今のうちにサッパリした方が良いわよ」

母にそう言われたので素直にシャワールームへ向かい、髪を洗ってから身体を洗っている時に今までにない痛みを感じた。

何コレ? さっきまでとは違う痛みを下半身を襲う。生理痛よりも痛い。それを皮切りに時間をかけて痛みが増していく。

「いたたた……」

シャワールームからお腹を擦りながら出てきた私を発見した母はすかさず、タクシーに電話をし、病院にも電話をかけた。タクシー到着後、病院に逆戻りした。

痛みが強くなっているが、陣痛室までは自分の足で歩いていくしかない。母に支えられながら、ゆっくりと歩いて行く。

「陽菜乃! 大丈夫か!」

二宮先生から連絡を受けた瑛ちゃんが駆け寄って来る。辛そうな私を見て、私の背中をさすってくれた。
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