遊川くんは我慢ができない⚠



 意外にも、遊川くんは私が抵抗したらすんなり離れてくれる。


 ハグ以上のこともしてこない。


 かるいスキンシップは、心臓に悪いけど嫌じゃなくて。


 くっつかれる度に、私の反射神経がにぶくなっている気がする。


 それはひじょーにまずいわけで。


 明日にでも私が遊川くんに流されるようになっちゃって、警報が発動する騒ぎにでもなったら!


 いちゃつきすぎて入学して早々に退学、なんてことになったら!


 そんなの、目も当てられない。


 家族にも合わせる顔がなくなっちゃう……!


 遊川くんとは距離を置きたくて、今日と明日は外に逃げるつもりでいたんだ。それが……


「もしかして、予定入ってるとか?」

「そ、そう! こっちに来たばっかりだし、あちこち見て回ろうかと思って!」

「そんなの、一緒に行けばデートになるじゃん!」


 まさか、しつこくデートに誘われるとは思ってもいなかった。


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