私のお願い、届いてますか?
秀人と朝ごはんを食べて、私もシャワーを浴びに行き、徹夜だった秀人は寝るために寝室へと入る。

シャワー浴びたら、洗濯機回して、洗い物して…。秀人が寝てるからあんまり音立てない方がいいよね。

そんなことを思いながら着替えて、リビングへと戻る。

あれ…?

寝室に入ったはずの秀人が、ソファーに横になっている姿が目に入る。

寝ちゃってる…?

お腹には、研究関係の資料が開いたまま乗っかっていて、おそらく何か気になることがあって見てるうちに寝てしまったんだと思う。

起こすの可哀想だし…、メガネだけ外してタオルケットだけかけてあげようかな。

そっと、眼鏡に手を伸ばして、ゆっくりと外す。

穏やかな寝顔の秀人の表情に胸がトクンッと鼓動して、思わず見入ってしまった。

付き合い初めの頃よりも、雰囲気がもっと大人の男性になったなあ…。

こんなに、ゆっくりと秀人の顔見つめたのって、久しぶりかもしれない。

「…もう…いい?」

「えっ…」

お、起きてたの?

気まずそうに目を開けた秀人に驚いて、危うく眼鏡を落としそうになる。

ゆっくりと起き上がって、私の手からそっと眼鏡を抜き取ると、慣れた手つきでかけ直して、驚く私を見る。




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