私のお願い、届いてますか?
先輩はそう言って、まじまじと朝岡さんの写真を見る。

「中身もイケメン?」

ページに視線を向けたまま尋ねる先輩。

「えっと…はい」

さっき、ちょうどそう実感したんだよね…。朝岡さんは男女問わず憧れるような存在だと思う。

「へー、そんな完璧な人って、本当に存在するのね。まあ、私にとっては、雲の上の存在か」

先輩はそう言って、ニコッと笑うと雑誌を閉じて、パソコンへと向き直した。

そっか…。朝岡さんって、本当はきっと遠い存在の人なんだろうな。

そんな人と、さっき連絡先を交換してしまって良かったのだろうか…。

そんなことを考えながらコーヒーを飲み、私は仕事へと取り掛かった。









ブッブッ

お昼ご飯のおにぎりにかぶりついていると、スマホがメッセージの着信を知らせ、画面を開く。

あっ、朝岡さん?

午前中会ったばかりなのに、どうしたんだろう?

〝礼人たちに頼まれてたもの渡すの忘れてたよ。明日の飛行機で帰るから、良かったら今日の夜、渡す機会作ってもらえないかな〟

礼人さんと結衣子さんから…?

そういうことなら…

〝はい、ぜひ!〟

そう返信すると、すぐにメッセージが戻ってきて、何回かやりとりをして、夜7時に近くのレストランで食事をすることにした。


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