クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
興味を引かれるもの……なんだろう?
「いやいや、なんで首かしげてんの。苫のことだよ」
「えぇ!わたし!?」
「苫のことでしか動かないし。用心棒ってだけじゃ説明がつかない言動が多いよ。苫が転校して来なかったら、そういう黒桜先輩にギャップ萌えできなかった。ありがとね」
「ありがとうって……。どういたしまして(?)って言うのは違うよね」
「たしかに!」
あははと笑いあっていると、会場が暗くなってブザーが鳴りひびいた。
『興味を引かれる唯一のもの』かぁ……。
わたしはハルルの言葉を反すうして、そうだといいなと願いながら幕が上がっていくのを見守った。