クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
斑の言葉に場が困惑を見せる。
「姫?」
「どういうこと?」
この場合、『姫』はあくまで守る対象って意味で、『うち』は斑にとってではなく『西ヶ浜組の』って意味。
あいまいな言い回し。理解できないのもしょうがない。
だけど、わたしのほかにただ1人、言葉の意味を瞬時に理解した人物がいた。
「そういや、西の花姫はどう猛な番犬を飼ってるって噂あったよね」
王子のような彼。名前がわからない。
真剣なまなざしでこっちを見ている。
「番犬?それって、西ヶ浜組の組員じゃなかった?」
「俺もそう聞いてる。とにかくやべーヤツだって……」
周囲の困惑が止まない中、この2人は合点がいったみたいだった。
「なるほどな。どうりで……」
しどーさんと、
「マジかー。やっぱただモンじゃないんじゃんっ♪」
驚きながらも嬉々とした表情を浮かべる赤髪のクリスサン。