クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

「くっそー!」

「なんでなんでなんで?」


2戦目も結果は同じだった。

むしろ、タイムが伸びた。やった‼︎


「オレ今、花姫の画面見てたけど、すげーよ。動きに無駄がねーんだ。ドリフトとか超完璧だった」

「マジで?俺も見たい」


盛りあがりはとどまるところを知らない。


一緒に遊べるのは嬉しいけど……あの、そろそろ玉ねぎのほうを……。


とそんなときだった。


「おい、なにしてる」


背後から低声が届いた。


どうしよう……!
遊んでたの怒られる……。


「……佐紺っ」


怒られるのを覚悟でおそるおそるふり返ると、そこに立っていたのは佐紺先輩だった。


声が低いからてっきり先生かと思った……。


「揃ってサボりか?」

「あっ、いや……」


ばつが悪そうに口ごもる男子たち。

まるで浮気現場を目撃された彼氏みたい。


敵のわたしと仲良く遊んでいるところを見られて気まずいんだと思う。

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