初色に囲われた秘書は、蜜色の秘処を暴かれる

 ――彼女は俺を待っていてくれるだろうか。いや、下手に期待させることもできないか。それならばいっそ忘れられなくしてやればいい。

「ジュリ」
「キート……?」

 いつも「ジュリちゃん」と呼んでいた貴糸の呼び捨てに、樹理は驚いているようだった。それを見て、貴糸はにやりと笑う。

「じゃあ、な」

 上唇にキスをして、貴糸は顔を真っ赤にした樹理の前から姿を消した。
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