二度目の好きをもらえますか?

1.傷付いたハートを修復するには。



 十歳の頃、学校中を追い回されて女子トイレに隠れた記憶がある。

 イジメとかそんな悪質なものじゃない。

 私はある一人の男子に求愛行動をされて、単純に逃げていた。

「さっちゃ〜んっ! 好きだよ〜!」

 惜しげもなく愛を叫ぶ少年の名は、けんちゃんだ。

 私に強烈なインパクトを与えた彼のフルネームは大谷(おおたに) 賢二(けんじ)くん。忘れようはずもない。

 念のため断っておくと、私はどこにでもいる普通の女子で、顔面偏差値だって平均値だ。

 自分で言うと悲しくなるが、見た目は地味で美少女ではない。

 にも拘らず、その少年は私を見るたびに嬉しそうに寄って来てはラブアタックの限りを尽くした。

 当時。彼の気持ちが嬉しくなかったわけじゃない。

 ただあからさま過ぎて恥ずかしかったし、私は私で他に好きな人がいたから正直に言うと迷惑だった。
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