二度目の好きをもらえますか?
 自分から提案したくせに、項垂れる賢ちゃんが可愛くて、私はひとしきり笑った。

 今日、彼と会えた事で私は大きな成果を得られた。

 賢ちゃんとは連絡先を交換したので、これからはいつでもメッセージツールでやり取りできる。週明けまでは、グループ結成の相談をするつもりだ。

 帰宅は九時半を少しだけ過ぎてしまった。お母さんには注意されたけど、怒られる事はなかった。

「お風呂が済んだらさっさと寝なさいよー」

「はぁい」

 自室のドアを開け、電気のスイッチに手を伸ばす。パチ、と音がして、六畳ほどの空間が光に満たされる。

 出窓の床板まで下がりきったロールスクリーンを一瞥してから、持ち帰った写真を取り出し、目を落とした。

 好きな人と二人で写っている写真が嬉しすぎて、ふにゃっと顔が緩む。

「ふふふっ」

 勉強机の、上から二番目の引き出しを開け、私はそこに写真を仕舞った。私の宝物だ。

 ***
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