君に、虹色の恋をした。
 憂鬱。

 辛い。

 生きたくない。

 そんなことばかりが浮かび積もっていく。
 塵も積もれば山となる。
 初めはそれほどじゃなかったのに、今では私の身長を越したほど大きく積み上がったのだろう。

 何も考えず、ただひたすらに黙々と歩く。

 時々目を瞑っては現実逃避をする。
 私には、勉強か現実逃避か山を作るかの三択程度で、それ以外のやることはなかった。

 薄暗い階段。
 その中で現実逃避をした。
 目を瞑りながら階段をおりる。
 ゆっくり、コツコツと。
 階段内に足音が響いた。



ーーどんっ……。



「ひゃっ!」

 足がふらつき倒れそうになった。
 そのところを誰かが抱きとめる。
 本来ならばこのまま頭から落ちて死ぬところだったのだ。助けてくれた人に感謝しなくては。いや、別に死んでも構わないし、というか死にたかったし、ちょうど良かったのか。それを遮られたと。

 私が目を瞑って階段なんか降りてるからぶつかってしまったのだ。
 早く謝らないと……。

 ゆっくりと目を開ける。

 すると、視界が男子の顔で埋まった。

「ほんまごめん。俺がちゃんと前見てらんばっかに」
 彼はそっと手を離してくれた。

 変な喋り方。

 だけど良く見たら結構イケメンで、目鼻立ちの綺麗なことと言ったら。肌も焼けすぎでもなく白すぎでもなく、ちょっといい感じ。

「何見てるん?」

 っ⁉︎
 見惚れてた?
 そんなこと……。
 なくないや。

「な、なんでもない、です。私もちゃんと前見てなかったので」
 だって目を瞑ってたんだから。
「すみません」
 ぺこっと頭を下げた。
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