さよなら、坂道、流れ星
トーク画面をずっと見ていた千珠琉はハッとした。
(ヤバい、すぐに既読ついたらメッセージ待ってたのバレる…)
一瞬考えたが、開き直って“よろしく”と“おやすみ”のスタンプを送った。
昴からも“おやすみ”のスタンプが届いた。
着信を無視したことは責めない。ズルい考えだけどその優しさが好きだ、と思う。
千珠琉は少しだけホッとして眠りについた。

その夜の夢は散々で、昴が東京に行く場面から始まり、千珠琉は大学に落ちる。そして、昴が千珠琉の知らない誰かを「この人と結婚する。」「この人とチズより長く一緒に生きていくから。」と紹介された。
ものすごく(うな)されていた気がするし、すごい量の寝汗もかいた。
(夢だけど…本当になる…可能性がある…)
千珠琉は朝からベッドで顔面蒼白になっていた。
明日の流星群は昴に会って話をするきっかけのつもりだったが、真剣に願いごともしようと決めた。
とはいえ、一晩経っても昴がいなくなることが現実だとは思えなかった。
(だって、生まれた時からいるのが当たり前なんだよ?)
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