さよなら、坂道、流れ星
(昴とずっと一緒にいられますように)

(昴とずっと一緒にいられますように)

(昴とずっと一緒にいられますように)

この奇妙な流れ星は流れ終わることがないおかげで願いごとを3回言うのが簡単だった。
3回ゆっくり頭の中で願いごとを唱えてみたら、叶えるのが難しい願いだという実感が湧いてしまい切なさがギュッと千珠琉の喉の奥を掴んだ。それと同時に、昴の肩に掴まる手にも力が入る。
「チズ、何のお願いしてんの?」
「秘密」
「ケチ」
「願いごとは口に出したら叶わない、でしょ?」
「…………」
千珠琉の言葉に昴は一瞬沈黙した。
「…本当にまだそれ信じてんの?」
そんなつもりはないかもしれないが、突き放すような言葉に千珠琉は少しだけ驚き落胆した。
「昴が言ったんだよ。」
「…わかってるよ。」
そう言うと、昴は少しの間無言になった。
そしてまた自転車を止めてから、ゆっくりと言葉を探すように口を開いた。
「あのさ…」
昴が口を開くと、千珠琉は自転車から降りた。
「なに?」
「…俺は…チズにそう言ったことずっと後悔してる。」
「———え…?」
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