The previous night of the world revolution7~P.D.~
「どうぞ、遠慮なく飲んでください。こちらも食べてくださいね」

僕は、平皿に盛り付けたおやつをセルテリシアに勧めた。

お洒落なケーキやマカロンやプリン…ではありませんよ。

恐らく、コーラに最も合うであろうおやつです。

そして、アリューシャさんの代名詞とも言える大好物です。

「これは…?薄いクッキーですね」

案の定、セルテリシアはこのおやつを知らなかった。

お前人生損してるな!ってアリューシャさんなら言いそう。

僕もそう思います。

この文明大国であるルティス帝国には、これほどたくさんの面白い飲み物や食べ物があるのだから。

手当り次第、色々と食べてみないと勿体無いじゃないですか。

食わず嫌い、飲まず嫌いは損ですよ。

嫌うにしても、せめて一口食べてからにしましょう。

「クッキーじゃないですよ。これはポテトチップスです」

通称ポテチですね。

「ポテトチップス…ですか」

「コーラに合うお菓子です。どうぞ食べてみてください」

「…はい、では…」 

これまた恐る恐る、セルテリシアはポテトチップスを摘んだ。

こんな挙動不審でポテトチップス食べる人、初めて見た。

ポテチくらい気軽に食べましょうよ。

「…!美味しいです」

「良かったです」

コーラに続き、ポテチもセルテリシアの口に合ったようだ。

続けてパリパリ何枚か食べていたので、お世辞じゃなく本当に気に入ったようだ。

精々200円程度のペットボトル入りのコーラと、一袋100円のポテトチップスで、セルテリシアの心を絆せるとは。

実に安い女だと言われても、否定のしようがありませんね。

でも、僕も人のことは言えないんですよ。

だってかつての僕も、精々200円のカップラーメンに感動してましたから。

今では気軽に食べられるんですけどね。あれも良い思い出ですよ。
< 538 / 634 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop