ひとりぼっちのさくらんぼ

出てきたその二着は。

アラン模様のグレイ色が可愛いざっくりしたセーターと。

薄いピンク色のグラデーションが印象的なニットだった。



「あたし的にはピンクだな」



即答する。



「なんで?」

「理由は特にないけど、見た瞬間に可愛いって思ったから。それ、デートに着て行きなよ」

「デート……」



お姉さんは少し赤くなった。

それからすぐに血の気が引いた顔色になり、
「緊張……っ、おぇっ」
と、またひとり、口元に手を当てている。






着る服が決まって、次はヘアメイクだなということになった。



「マスカラとアイライナーは必須だよ!」

「えーーー、めんど……」

「面倒とか言わないっ」



あたしに叱られて。

お姉さんは仕方なさそうに「はーい」と、下を向いた。



「今、メイクしてみてよ」

「え、今!?」

「当日任せだと焦るよ。リハーサルは大事だよ」



お姉さんは渋々、メイクの準備を始めた。

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