ひとりぼっちのさくらんぼ

書き込みの内容がプライベートな時間のことが多いことも、何かヒントになるのかな。



あたしは紙を見つめて、ひたすらうなっていた。



だから、お姉さんがリビングに来ていたことにも気づかなかった。



「J Kちゃん、謎解きしてるの?」

「わっ!ビックリした!」



お姉さんは「ごめん、ごめん」と笑って、
「私って、こんな感じだったんだね」
と、言う。



「こんな感じ?」

「人のために一生懸命で、素直に気持ちが動いて、優しい子だったんだなって」



あたしは褒められて恥ずかしくなったけれど、「お姉さんだってそうじゃん」と、返した。



「人に寄り添える大人って感じ。自分自身だと思うと、わりと誇らしいかも」



お姉さんは笑顔で、
「まぁ、自信はないけれどね」
と、あたしの隣に座った。



「書き込みのこと、何かわかる?」



お姉さんはコメントを写した紙を手に取った。



「ううん、市原さんの近くにいる人だとは思うけれど」



あたしは背筋を伸ばしつつ答える。

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