高嶺の花も恋をする【番外編追加】
「私ね、前にエレベーターに佐伯くんと2人で乗った時、佐伯くんの側に寄って初めて意識したの。その時見た佐伯くんの瞳がすごく綺麗で感動したんだ」

「目ですか?」

「うん。ブラウンの瞳があまりに綺麗で、エレベーター降りた後ドキドキして止まらなかったの。私、佐伯くんの瞳が大好き」

前髪で隠れてしまっている瞳を見ようと覗き込むと、佐伯くんは顔を真っ赤にさせた。

それがすごく可愛くて「ふふっ」って笑うと、佐伯くんが「やっと笑顔になってもらえましたね」と言った。

そのまま何だか離れたくなくて、横並びで座っていろんな話をした。

お腹が空いたので何か食べようという話になりメニューを2人で眺めて。

「あっ、佐伯くん。トマトスパゲティがあるよ」

「本当ですね」

「トマト以外に好きな食べ物は?」

「うーん、あとブロッコリーとか肉も魚も好きです。雨宮さんは何が好きですか?」

「私?そうだなー、私もお肉好きだよ。あとグラタンも好き!」

「そうなんですね。覚えておきます」

お互い知らなかった事を知っていくのは楽しい。

2人共笑顔になる。

でもせっかくお付き合いできるようになったから、ワガママも言ってみたい。

「ねぇねぇ、もうさ敬語なんて寂しいから普通に話してみて?私ね、さっきエレベーターで佐伯くんが敬語じゃなく話してくれたのすっごく嬉しかったし、ドキドキしたの」

「え?そうですか?」

「ほらー!敬語」

「あ!はい!....うん」

「そう、嬉しい」

私が笑うと佐伯くんも笑顔を見せてくれた。

そこで更に調子に乗って。

「佐伯くんの綺麗な瞳ももっと見たい。いつも見たい」

「じゃあ.....前髪切ります、じゃなくて切る」

一生懸命言い直してくれる佐伯くんが堪らなく愛おしい。

その後も普通に話したり、ちょっと敬語になっちゃったりを繰り返しながら、2人でメニューから選んだシーザーサラダとトマトスパゲティとシーフードグラタンをシェアして食べた。
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